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皆さんこんにちは!
ヤマシタ建装、更新担当の中西です。
素材の個性に合わせれば、寿命は伸びる。 モルタル、窯業系サイディング、ALC、タイル、金属、RC、木質。同じ塗料を同じように塗ると失敗します。素材ごとの“弱点”に刺さる下地・仕様・メンテを、現場視点でまとめました。🧠
1. モルタル(湿式)
特徴:厚みと質感が魅力。ひび/吸い込みが課題。
劣化:ヘアクラック、浮き、白華。雨筋汚れ。
下地:Vカット→樹脂モルタル→肌合わせ。浸透シーラー→微弾性フィラーでクラック追従。
仕上:ラジカル〜無機。低汚染で雨筋抑制。
2. 窯業系サイディング(乾式)
特徴:目地とシーリングが寿命のボトルネック。
劣化:目地割れ、チョーキング、反り、釘浮き。
下地:打替えが基本。サッシ回りは条件で増し打ち。反りはビス固定→面出し。
仕上:単色→ラジカル/フッ素。意匠(多色)はクリヤを退色前に。
3. ALC(軽量気泡コンクリート)
特徴:透湿・吸水しやすい。シールと防水が肝。
劣化:ひび、白華、目地破断。
下地:含水管理しつつ打替え。厚付フィラーで巣穴を埋める。
仕上:透湿性のあるシステム。微弾性で追従。
4. タイル(貼り)
特徴:高耐久だが浮き/目地が要注意。
劣化:エフロ、目地割れ、タイル浮き。
下地:打診で浮きを特定→エポキシピンニング/張替。薬品洗浄→中和→十分な水洗い。
仕上:基本はクリヤ/撥水で風合保持。塗りつぶしは下地の健全性が前提。
5. 金属(ガルバ/カラー鋼板/トタン)
特徴:端部・小口・重なりが弱点。電食注意。
劣化:白錆→赤錆、剥離、ビス浮き。
下地:ケレンで健全面露出→エポキシ防錆/亜鉛リッチ。切断面/ビス頭は先行タッチアップ。
仕上:フッ素/無機の高耐候。沿岸は厚膜と低汚染をセットで。
6. RC(打放し・塗装下地)
特徴:中性化・ひび・漏水の管理が肝。
劣化:白華、鉄筋腐食、ジャンカ。
下地:中性化深度を見て断面修復。止水→フィラー→仕上。
仕上:意匠ならクリヤ+撥水、保護なら高耐候塗膜で雨筋抑制。
7. 木質(外装・軒天・破風など)
特徴:含水変動で伸縮。木口から吸水。
劣化:退色、割れ、カビ。
下地:含浸防腐→木口止水→研磨。
仕上:**浸透(短期更新)か造膜(長期)**を使い分け。
8. ベースとなる判断フロー 🧭
素材特定→2) 劣化の種類→3) 雨の動線→4) 下地整備→5) 仕上グレード→6) メンテ計画。
9. 失敗事例あるある&学び 😓
意匠サイディングに色塗り→風合消失→後悔。クリヤの期限を守る。
ALCに高緻密塗膜→含水で膨れ。透湿性を優先。
金属へ水性下塗の誤適用→剥離。エポキシ防錆を基本に。
10. まとめ ✅
次回は金属部と錆対策(第4回)。端部・小口・重なり——“錆の起点”をつぶす具体策を徹底解説。⚙️🛡️
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皆さんこんにちは!
ヤマシタ建装、更新担当の中西です。
仕上がりは“塗る前”で決まる。 洗浄・素地調整・補修・乾燥・プライマー適合——ここを外すと、どんな高級塗料でも本来の性能は出ません。今回は現場で役に立つ精度に落とし込んで、下地づくりのすべてを解説します。
1. 高圧洗浄の科学
目的:汚れ・藻/苔・旧塗膜の粉化(チョーキング)を除去し、密着の障害を取り除く。
圧力と距離:10〜15MPaを基準に、距離15〜30cmで面を均一に。回転ノズルは近づけすぎNG(下地損傷)。
洗剤洗浄:油汚れ・北面の藻/苔は中性洗剤やバイオ洗浄を併用。十分なすすぎが鉄則。
乾燥:洗浄後の含水が残ると剥離・白化の原因。季節に応じ24〜72hの乾燥目安。
2. 旧塗膜の診断
付着:クロスカットで密着をチェック。剥がれが大きい場合は全面ケレンやフィラー厚付で下地再形成。
チョーキング:手に粉が強くつく→シーラーやフィラーで吸い込みを止める。
ヘアクラック:微弾性で追従。構造クラックはVカット→樹脂モルタル→肌合わせ。
3. シーリングの基礎
どこを打つか:サイディング目地は基本打替え。サッシ回りは条件次第で増し打ちも可。
2面接着:ボンドブレーカーで背面を切り、伸縮に追従させる。3面接着は破断のもと。
ノンブリード:塗装前提なら必須。可塑剤移行を防ぎベタつき/汚染を抑制。
プライマー:専用品を規定時間内に充填。温湿度で硬化が変わるため日程管理が重要。
4. ケレン(素地調整)の段階
手工具:ワイヤーブラシ/スクレーパー。不陸を取って健全面を露出。
電動工具:サンダー/グラインダーで足付け。#80→#120→#180の順で均し。
重度劣化:層状剥離や深錆は交換・板金補修も視野に。無理な塗り重ねは短命。
5. パテ(面出し)と段差解消
目的:クラック・欠け・目地段差を平滑化して仕上がりを整える。
二度パテ:乾燥収縮を見込んで二段階で面を作る。サンドペーパーで肌合わせ。
6. 含水と露点管理
露点差:素地温−露点温度≥3℃で結露回避。朝夕は戻り結露に注意。
測定:非接触温度計+湿度計で根拠のある判断に。雨上がり・曇天は特に慎重に。
7. プライマー適合と下塗り
モルタル/ALC:浸透シーラーで吸い込みを止め、微弾性フィラーで下地形成。
サイディング:シーラー→中上塗。意匠面はクリヤの可否を劣化度で判断。
金属:エポキシ防錆や亜鉛リッチを切断小口・端部に重点塗布。
8. 部位別のポイント
屋根:縁切り/タスペーサーで排水経路を確保。
軒天:防カビと透湿の両立。換気口の目詰まり清掃。
雨樋/塩ビ:ノンブリードプライマーで可塑剤対策。
9. 典型的な不具合と対処
ピンホール:洗浄不足・泡→消泡剤と清浄度の改善、薄付けで再施工。
艶ムラ:吸い込み差・ロット混在→下塗厚みと缶管理。
剥離:油分/粉塵/結露→脱脂・清拭と露点管理の徹底。
10. 写真台帳の作り方
前/中/後を同アングル・同時間帯で。
近接(補修部)と遠景(全体ライン)の両方を残す。
WFTゲージ・缶数・温湿度など数値も写すと説得力が違う。
次回は素材別AtoZ。モルタル/サイディング/ALC/タイル/金属/RC/木部、それぞれの“勝ち筋”を地図化します。
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皆さんこんにちは!
ヤマシタ建装、更新担当の中西です。
“塗ること”より“決めること”が8割。 何から手をつけるか、何を基準に選ぶか、どこまでやるか。ここが定まれば、仕上がり・費用・ご近所対応までスムーズに進みます。この初回は、迷いを最小化する決定プロセスを、やさしい言葉と実務の視点で整理します。🧩
1. いま家に起きていることを知る 🔍
劣化サイン早見表:
指で触って白い粉→チョーキング(樹脂の分解)
目地に隙間・割れ→シーリング劣化
ひび割れ→クラック(ヘア〜構造)
緑っぽい汚れ→藻/苔(北面・日陰)
錆汁・膨れ→金属腐食/下地不良
優先度の付け方:安全>雨漏り>美観。見た目より先に雨の経路を断つ。☔
2. 予算の考え方(LCC=ライフサイクルコスト)💴
“とにかく安く”は膜厚/工程省略のリスク。10年で何回塗るかを基準に、長寿命×低汚染の組み合わせで総額を下げる発想へ。
足場共有:屋根・外壁・付帯・防水を同時にやると再設置費ゼロ。1回の負担は上がっても総額は下がることが多い。
3. 工事までの全体フロー 🗺️
現地診断(30〜60分):外壁/屋根/付帯/防水をチェック。写真台帳を作成。
仕様提案&見積:製品名・塗布量・乾燥時間まで数値で提示。
色決め/艶決め:A4以上、大判サンプルを屋外で。3色ルールに沿う。
近隣挨拶:洗浄日/臭気日/車養生を事前共有。🗣️
着工→洗浄→下地補修→シーリング→塗装(下/中/上)→付帯→清掃→検査→引渡。
4. 見積書の“数字”を読み解く 📑
塗布量(㎡/缶)と必要缶数が面積×理論塗布量で一致しているか。
乾燥インターバルの表記があるか(短すぎ/長すぎは不具合の元)。
下地補修が“一式”でなく数量か。
屋根の縁切り/タスペーサー数、棟板金ビス打替えの記載があるか。
5. 塗料グレードの選び方 🎯
ラジカル制御型:コスパ◎。10年前後の更新計画に。
フッ素/無機:艶保持・耐候◎。沿岸/日射強で真価。
艶:3〜7分艶が外壁で上品。屋根は艶ありが長寿命になりやすい。✨
6. 色設計の手順 🎨
主色×付帯×アクセント=3色に整理。
屋根/サッシの色を先に固定→外壁を合わせる。
面積効果で明るく見える→ワントーン落とすのが定石。
汚れと退色:白/黒は目立つ。薄グレー/グレージュが実用的。🧼
7. 近隣配慮と暮らしの工夫 🏘️
高圧洗浄日:洗濯物NG、車カバーをお願い。植栽の養生を丁寧に。
臭気日(溶剤作業):窓開けNG、作業帯の時間を事前通知。
防犯:足場の侵入防止。センサーライトや在宅時間の共有が安心。
8. 1日の流れと工期の目安 ⏱️
戸建てで10〜20日(天候次第)。各工程の乾燥時間を優先し、無理な詰め込みはしない。
雨天/強風は中止。品質>スケジュールが正解。
9. よくある失敗と回避 😵💫
価格だけで決めた→膜厚不足・早期退色。→仕様書を揃えて比較。
写真が残らない→再発時に原因特定不可。→前/中/後の写真台帳を契約に明記。
色で迷走→当日決断で後悔。→大判サンプルと近隣景観で検証。
10. “良い業者”の見分け方 🧭
露点差/湿度など気象判断が会話に出る。
**缶数管理/WFT(ウェット膜厚)**の話ができる。
クレーム対応のフロー(受付→現場→是正→報告)が明文化。
11. 工事中にできること 🙌
日報・進捗を週次レポートでもらう。
気づきは即共有。早い段階ほど是正が容易。
仕上げ検査は同条件(同時間帯/同アングル)でチェック。📸
次回は下地調整。”塗る前”の品質づくりを、手順と道具のレベルまで掘り下げます。🧼🔧
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